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福島県立医科大学志らぎく会16年のあゆみ

 

福島県立医科大学
福島県立医科大学志らぎく会

 

「献体は誰にでもできる大いなる遺業」をモットーに福島県立医科大学志らぎく会は昭和55年11月12日に福島県立医科大学「しらぎく会」の名称で発会しました。この時の会員数は白菊会福島県立医科大学支部に登録しておられた33名と仮登録者50名のあわせて83名でありました。そして会員の皆様の「自分が亡くなった後は、遺体を医学の進歩と発展のために無条件無報酬で福島県立医科大学に献ずる」という崇高な精神に支えられ、今年で16周年を迎えました。会員数も1,438名の多きに達し、成願された会員も336名となりました。この間、会の名称は「しらぎく会」から松平前福島県知事の御揮毫(写真)により「志らぎく会」と改められ、また、会の代表もこの会の生みの親である故遠藤修司前理事長から遠藤正二現理事長にひきつがれました。
毎年1回の総会・健康講話会の開催・会報の発行などは会員相互の親睦の場となり、また、県民の皆様に献体運動の趣旨をご理解いただく機会ともなってまいりました。県内の4地区に設立された(福島・郡山・会津・浜通り)各支部はそれぞれに支部総会・施設訪問・懇親会・健康講演などを通じて会員相互の親睦を深め、献体運動の輪を広げてまいりました。
16年間という歳月は社会環境を変化させただけでなく、献体運動をとりまく環境も大いに変化をさせてまいりました。発会当初はなかなか理解を得られなかった志らぎく会の活動も今日では広く県民の理解を得るに至り、最近では福島医大の実習遺体はその殆どを志らぎく会員が占めています。この間、志らぎく会は一貫して福島県立医科大学の教育の基礎を支える活動を続けてまいりました。「篤志献体」という行為は単に解剖実習のために遺体を提供したという意味にとどまらず、学生に多くのことを考える機会を提供したと考えております。学生は毎日の実習の中でご遺体になった故人と無言で対話を続けます。そしてこの中で学生は何事にも代え難い勉強をし、数多くの大切なものを学びながら日々成長していくものと思っております。
福島県立医科大学志らぎく会は「おかげさま」の気持ちを大切にし、無条件無報酬を信念として、死後、医学教育の基礎に役立つことを喜びながら16年間の活動をしてまいりました。そして、志らぎく会のその活動はこれからも続きます。

 

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松平勇雄前福島県知事の御揮毫「志らぎく」
昭和57年、会報第2号発刊に際して松平勇雄前福島県知事から題字「志らぎく」の御揮毫をいただきました。この御揮毫を基に昭和57年の第3回志らぎく会総会で本会の名称を発会当時の「しらぎく会」から「志らざく会」に変更することになりました。

 

 

 

 

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